密教 真言宗 法器 法本(日本輸入品)
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駄都秘法 次第と解説
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編 著 |
荒城 賢真 |
体 裁 |
〈次第〉高級緞子装折本仕立
〈別冊解説〉文庫本サイズ・
上製・170頁 |
発行日 |
2023年5月 |
本書について
密教徒の菩提心と行果の象徴である如意寶珠の真髄を
『駄都秘法』次第と解説『如意寶珠とは何か』で明かす!
目次内容
・大師と如意寶珠
・御遺告第二十四条
・舎利信仰
・如意寶珠の起り
・真言密教の世界観と如意寶珠
・釈尊は本当に法を観たか?
・阿字諸法本不生
・能作性の如意寶珠
・如来蔵とは何か
・法然に薩般若を具足す
・転識得智
・大日如来は何故に「無明」をつくられたか
・三憲の口決類にみる如意寶珠
・大師ご入定の意義と如意寶珠
・五相成身観にみる菩提心
・質多心と干栗叱心
・釋摩訶衍論三十二法門
・性徳円満海・双円性海・重円性海
・在大海龍王蔵并肝頸如意寶珠権現大士等
・避蛇の法呂
・奥砂子平の法呂
・むすび
本尊印明等※密教大辞典より要約引用
【駄都法】舎利法。米粒を舎利とも言う故に秘して米粒法ともいう。駄都は如来の舎利を云う。この法は殊に末法の衆生を益する旨を妙鈔に示す。三寶院流等はこの法と如意寶珠法とを同一法とし、印言行儀等異ならず、御遺告の趣旨によって釋尊の分身である舎利を如意寶珠と観じて修す。但し勧修寺流等はこの法と如意寶珠法とを別として、大陀羅尼末法中一字心咒経を所依として釋迦金輪を本尊とし、如意寶珠法は如意寶珠を本尊とする。随って覚禅鈔・金寶鈔・妙鈔(諸尊要鈔)等は二法を各別に挙げ、種子・三形・真言等を別に出す。これら別法とする伝によってこの法の種三尊等を左に記す。
《本尊》釋迦金輪。壇の中心に舎利塔を安ずというが、亮恵の伝には尊形なく三形の舎利即ち本尊と習う。
(以上密教大辞典より要約引用)
解説『如意寶珠とは何か』本文一部紹介
昭和六十三年、稲谷祐宣大阿闍梨の三寶院流一流伝授の中で、『駄都秘法』と共に、大師作と仮託された『御遺告』を受法した折り、駄都とは釈尊の御遺骨(舎利)即ち如意寶珠であり、この如意寶珠は浄菩提心如意寶とも呼ばれ、真言宗の教理中で最も大切なものであると教わった私はその後、祐宣師のご紹介で大山公淳先生に師事して教相を学ぶに至り、「如意寶珠」について考えることは、そのまま密教徒としての生き方に直結していることを得心した。
例えば高松の「大日経疏」講伝に出向かれる大山先生に随行した時、フェリーの中で先生はこう仰有った。
「荒城君、あの波を見てみなさい。波は生じては滅し、滅しては生じているけれど、あの波も所詮は海なんですよ。だから海そのものは不生不滅であり不増不減なんです。これを諸法本不生というんです」
続けて「あの船は波のまにまに揺れていますが、あれは実は、船が波の思い通りに揺れているという意味なんです。〈まにまに〉の〈まに〉とは思い通りにという意味で梵語の摩尼に通じて如意寶珠のこと。だから如意寶珠を摩尼寶珠ともいうんです」 それから少し間をおいて先生は、ポツリとこう仰有ったのである。 「如意寶珠は真言密教究極の教えです」と。
また何かにつけ先生は「密教の本質は本覚であり如来蔵であり、宇宙自体の創造力が浄菩提心即ち大日如来なのであるから、すべての存在はお互いがお互いを活かし合う個性的な価値としての寶であり、自利利他円満な三密の純粋行の活動そのものである」と何度も繰り返されたものである。 この公淳先生のご教示によって、本不生の真の意味が初めて理解できた私は、それからというもの密教で説かれる様々な教えの根本にあるものへの対処の仕方が一変したのであった。
このたび、浅学菲才の身には荷の重い「如意寶珠とは何か」という論考を書かせてくださったのは、大山公淳先生であり稲谷祐宣師であることに深く思い至るしだいである。
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